先日もご紹介したウィキョウ。
Fenchelウィキョウは地中海沿岸の南の方では自生もしています。
あちらでは葉っぱだけでもハーブのように使われていていますが、
葉っぱのみで売っているのを見たことがないドイツでは
毎年自宅の庭でウィキョウを育ててスローフードをしております。
今日ご紹介するのはそのウィキョウを使ったスパゲティ
Pasta con le sarde
シチリアの郷土料理のこの一皿は、
見た目は華やかな舞台に立てるようなおしゃれなパスタではありませんが、
お口に入れたとたん、シチリアの風が舞い込みます。
シチリアはイタリアの南の島で、
その先にはもうアフリカの広大な大地が広がります。
北アフリカ、
今のチュニジアあたりで栄えたカルタゴが
目の前にある小麦のなる緑の島・シチリアが欲しくて、
当時のローマとものすごい争いになったのがポエニ戦争・・・
ここから先は、塩野七生さんの書籍でどうぞ。
シチリアには何度訪れても新しい発見があります。
そしてたくさんの遺跡の他に、イタリア本土と違う食文化もあります。
このパスタ料理はイタリア政府から伝統的なイタリア料理Prodotto agroalimentare tradizionaleとして認められている郷土料理で、
使う食材を見ても、ああシチリアね・・と青い海とそびえ立つ遺跡が目の前に浮かびます。
Fenchelウィキョウ 1個
Sardellen アンチョビ 3〜4枚を切っておきます
eingelegte Sardinen イワシ
↑(シチリアでは生のイワシも使いますが缶詰でもOK とイタリア人同僚)
Knoblauch ニンニク 2個 みじん切り
ミニトマト 4〜5個
玉ねぎ 1個をみじん切り
そして・・
Rosinen 干しぶどうをお湯に入れて戻したもの 大さじ1杯程度
Pinienkerne 松の実 大さじ1杯程度
サフラン ひとつまみ
唐辛子
パン粉とオリーブオイルもこのお料理には欠かせません。
地元ではウィキョウの葉っぱだけ使いますが、
ドイツではないのでアタマの先っぽだけを使いましょう。
胴体の方はまた別のお料理に。
このお料理にいるものは
フライパンとパスタを茹でる大きなお鍋、
そして小鍋がひとつ。
大きなパスタ鍋には同時進行でお湯を沸かしておきましょう。
そしてまず、お野菜を切ります。
茎の部分は硬いのもあるので、
ピーラーですじをむくか、パスタを茹でるお湯で茹でておくか・・
で、切っておきます。
フライパンで松の実を炒ってお皿に取り出しておき、
そこにオリーブオイルを入れてニンニク2/3の量、
そして玉ねぎのみじん切りをゆっくりと香りが出るまで火を通します。
この時にペペロンチーノのように唐辛子を入れるのが主流ですが、
辛いものに弱い方は入れなくても十分に美味ですし、
後からチリ用のミルでお好きな量を振りかけてもよろしいかと。
そしてここに松の実も。
そこにアンチョビを1枚分残して入れて炒め
ウィキョウを入れて、切っておいたトマトも入れて
炒めます。
隣に沸かしているパスタを茹でるためのお湯を少しづつ入れながら水分を調整。
缶詰から出したイワシのオイルを切って入れて、
お湯に入れて戻しておいた干しぶどうも。
そしてサフランをひとつまみ入れ、
イタリアンのシェフになった気分でフライパンをよく混ぜて、
塩胡椒で味を整えます。
水分が少しあったほうがよろしいかと。
ここまできたらパスタを茹で始めます。
フライパンの方は、蓋でもして
乾かないように調節しておきます。
小鍋に残りのニンニクと残りのアンチョビ、
そしてオリーブオイルを入れてゆっくりと火にかけます。
良い香りがたったらドイツで入手できる細かいパン粉を入れて
カリカリになるまで炒めます。
香りづけにお好きな方はレモンの皮を擦って。
でもこれはなくてもOK。
このパン粉は『貧乏人のパルミジャーノ』と言われているそうで、
お値段がお高いパルミジャーノの代わりにシチリアでは使われていたそうですが、
ぜひお試しを♪
これならパルミジャーノはいらないかも・・・くらいのお味となります。
パスタが茹で上がったら、
フライパンに入れてよく混ぜて、
もし水分が足りないようならばパスタの茹で汁から水分を足して・・・
お皿に盛って香りづけのオリーブオイルをたらり。
そして黒胡椒をミルでカリカリ。
その上に『貧乏人のパルミジャーノ』をパラパラ・・
サフランの香り
干しぶどうの甘さにイワシの塩気・・・
マンジャーレ♪
あとは冷やしたシチリアの白ワインがあれば、
プリモピアットは完成です♪