いろいろ、色々あるドイツのジャガイモ・・
それぞれ用途は違います。
初夏の日曜日、お稽古事から家に帰ると、
母が新じゃがを大きなお鍋で茹でていて、それを半分に切っておやつにしてくれていました。
黄色いバターをのせると、熱いジャガイモの表面でさ〜っと溶けて・・
そこにお塩をパラパラパラ・・
そういうなんともない『お料理』が、
実は『母の味』として、舌と目に残っているものなのねと最近は思うようになりました。
『ドイツといえばジャガイモ』
『ジャガイモといえばドイツ』
みたいなドイツージャガイモ関係ですが、それほどドイツのジャガイモは美味しいということだと思います。
炊き立てのおいしい白いご飯に、塩気のおかずというのが和食の基本なら、
たっぷりとしたソースをジャガイモに含ませるというのが、
もしかしたらドイツ料理の基本かも知れません。
塩茹でしたものを添え物に
↓
マッシュしたものをダンプリングに
↓
ドイツのソウルフードCurrywurstに欠かせないフライドポテト
↓
日本にないジャーマンポテト
↓
そしてご存知ポテトサラダ
↓
と、
七変化もできるジャガイモですが、一つだけ重要なことがあります。
それはゆっくりと火を通すこと。
ジャガイモは65度以上になると、デンプンが糊化しはじめます。
糊化したデンプンの方が糖化酵素のアミラーゼにとってはくっつきやすく、またデンプン分を分解しやすくなるので、ジャガイモの甘みが増します。
また糊化することにより、吸水や崩壊も防ぎます。
なので、その『65度』という通過点を、いかに長くゆっくりと保つかが、ジャガイモを美味しくするか否かの分かれ目となるという科学の理論があり・・・
と書くと、キッチンに立つのもイヤになっちゃいますね。
でもこの料理の科学は、
おそらく日本のジャガイモでも同じだと思います。
なので、
分子がものすごい勢いで動いて食品に火を通す電子レンジでジャガイモを『茹でる』というのは、例えせっかく美味しいドイツのジャガイモであっても、半減以下になってしまうこと間違いなし。
電子レンジでは5分以内でジャガイモに火が通るそうですが、
それは『調理時間の時短』というよりも、
せっかくの食材を生かせない、むしろダメにしてしまう最短の方法かしらんとも思ってしまう・・
日本の食卓に不可欠な白いご飯。
これだって炊飯器で45分くらいかかるし、早炊きメニューだって15分はかかりますでしょう?
ジャガイモに火を通すのも、白いご飯を炊くことと同じではないかしら?
主婦は、細切れ時間の集合の中を家族のために動いているので、
その細切れ時間の間、オーブンやお鍋に働いてもらいましょうよ♪
皮付きであれば一度火を通したジャガイモは、
熱が収まったらフタをしないでそのまま冷蔵庫へ。
そうしたら1週間は保ちます。
重要なことは、
ジャガイモはもし茹でるのであれば、お鍋に入れたら一度強火でお鍋の真ん中がゆらゆらと動くまで煮立て、その後ごく弱火にしてゆっくりと火を通すこと。
茹で時間は一回の火力で量は同じですから、買ってきたジャガイモはまず全て
『茹でてしまう』
でもいいかも知れません。
そしたらすぐに色々なお料理に使えますもの。
でも本当は一度、粗塩の上でオーブン焼きをしていただきたいと思っております。
↓
ジャガイモには80%〜90%の水分が含まれています。
これって、リンゴとほぼ同じなんですよね。
なので、オーブンで火入れをすることにより、その水分が抜けて、
本来のジャガイモのお味となります。
粗塩はドイツ語では
grobes Meersalz グローベス メアザルツ。
普段いかれるスーパーのお塩のコーナーに必ずあります。
どうぞ一度お試しくださいませ。
びっくりするほどのジャガイモとなります♪