ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフの大手料理教室で講師をしております

ホームメイドのドイツパン

 

お教室にいらっしゃっている方々より、

「ドイツパンを焼いてみたいのですが・・」

というご希望がありました。

 

材料が揃えば手順は簡単なのですが、時間がとてもとてもかかるため、

お教室で全行程をご一緒することはむずかしく。

 

もしかしたらzoomとかの手法をとり、連続3日間ほどに分けてドイツパンを焼こうかしらと思考中です。

 

いづれにせよ・・

 

ドイツパンの第一歩はサワー種、

自然酵母を作ることから始まります。

 

 

お隣フランスでも自然酵母を使ってパンは焼かれますが、

こちらの方は小麦粉で作られる自然酵母が多いようで。

 

フランスより北に位置するドイツは地理的に、

元々小麦よりもライ麦の方が作りやすいため、ライ麦を使ったパンも多く、

ライ麦で自然酵母も起こします。

 

以前、

「パン屋さんて、まるで魔術師のようね・・」

と思ったこともありますが、

ここ数年、自宅で消費するパンは自分で焼くようになってから、

パンは

『焼くもの』ではなくて、

『空気と時間と熱が仕上げてくれるもの』と思うようになりました。

 

 

 

サワー種は、

ドイツではこういう出来合いのものもスーパーには売っていますが、

でも意外と簡単なので、サワー種も自分で起こしちゃいましょう♪

 

いるものはこのライ麦の全粒粉

 

 

それにお湯と清潔な容器だけ。

 

粉はビオのものをお使いください。

以前、

普通のライ麦全粒粉で酵母起こしにトライしましたが、

うまく発酵せず、残念ながらそのまま破棄となりました。

その後調べたら、

一般に麦の生育方式では農薬を使うので、そのため自然酵母は育ちずらいということだそうです。

 

いろいろ失敗、そして工夫した挙句、ご家庭でも簡単に作れる私のサワー種はこれです

 

 

清潔な容器にこの粉を50g入れます。

そして50度の50ccのお湯を注ぎ、よくかき混ぜます。

フタをして、温かいところに8時間から一晩おいておくだけ。

時間は成長具合で変わりますので、正確なところがお伝えできないのですが・・

 

真夏の暑い時、

お庭に出しっぱなしにしておいたら5時間ほどでここまで成長してくれたこともあります。

 

 

最初は上の写真のような量ですが、しばらくすると育ってくれて

 

 

最初に気泡が立っていき、

 

 

少しづつ持ち上がって、

 

 

ここまでくれば完成!!

 

 

これを生地に混ぜてパンを作り、

残りはこのまま冷蔵庫に入れておきましょう。

 

5日〜1週間くらいしたら上の固い膜を取った後、

 

 

 

忘れずに50gの粉に50度のお湯・・・

 

を足して混ぜて、もう一度温かいところで発酵させてあげましょう。

 

そうすれば、ず〜っと酵母が生きてくれます♪

 

長期の旅行の時は残念ながらお別れとなりますが、

お帰りになったらまた作れば良いのですもの。

 

糠床の管理よりも簡単だと思います♪

 

で、

これを生地に混ぜて発酵させます。

 

 

 

 

色々なレシピを拝見いたしますと、

発酵用のボウルとかカゴとかでこの後の作業をするようになっている例が多いですが、

私は簡単に手持ちのフタ付きの容器を使っています

 

 

 

大中小と持っているこの容器は、重ねられるし使い勝手もよく、

パンやお菓子作りだけではなく、お料理の下準備等にも毎日大活躍してくれています。

 

可愛い色々なカラーで販売されておりますので、

ご家庭のキッチンに合わせて揃えられると楽しいかも。

 

 

Mein Hausbrotと呼んでいる私の基本のドイツパンの分量は:

 

・ライ麦粉 1150番 200g

・小麦粉かスペル小麦の全粒粉 165g

 

これにお塩を小さじ2杯入れてよく混ぜます。

ここに大体50g〜60g程度のサワー種を入れ、90度に調整したコップ1杯程度のお湯を入れ、

混ぜるだけ。

 

サワー種の分量も、そしてお湯の分量もサワー種の成長具合で変わりますので、

文章では表現しづらく。

ごめんなさい。

 

多分zoomなら実際にお見せしながら、また見せていただきながら、

ご一緒にドイツパンを焼くことができると思います。

 

この基本の生地にお好きな+αは、ご家庭のお好みでどうぞ。

アマの実とかひまわりの種とか、チアシードとか胡桃とか・・

 

なんとなく粘土細工の雰囲気となりますが、

全て混ぜたらフタをして、これまた最低一晩寝かしておきます。

 

室内の温度調整が難しい今は、

私はオーブンを一度80度ほどに温めてからまた切り、そこに容器を入れて、

焼くまでそのまま、切ったオーブンの中で寝ていてもらっています。

 

焼くのも色々とやり方がありますが、

簡単で失敗がなく、温度調整がしやすいのがストウブ等の、

でもカラフルなホーローではなく黒い方の、鉄鍋を使った焼き方。

 

 

 

 

 

私のは1970年代後半にウィーンのシュテファン教会の前にある(った)キッチン用品屋さんで購入した、ウィーン製のものです。

今ではもうないらしいですが・・

 

娘は同じやり方で、ストウブの黒のお鍋でやいています。

 

なぜお鍋で焼く方法が良いのかというと、パンが焼ける最初の段階では水分が必要ですが、

お鍋に入れることにより、その必要な水分を失う率が少なくなるから。

 

 

 

 

 

お鍋をオーブンに入れて250度に温めている間、

オーブンペーパーの真ん中にちょっとだけオイルを指先で塗り、

そこに寝かせておいた生地を容器からあけます。

 

 

 

 

お水をハケなり、もしくは手でピチャピチャと表面にたっぷり与え、

その上を押し麦とかひまわりの種とかお粉とかでお化粧します。

 

 

 

そして熱いお鍋にこの紙ごと入れて

 

 

 

フタをしてオーブンへ。

 

 

 

220度に落として40分、

このまま焼きます。

 

40分経ったらフタをとり

 

 

 

200度に落として20分、焼きます。

 

 

完成!!

 

 

 

そーっと紙ごとお鍋から出して、

パンを紙から外して網にのせて・・・

 

 

 

 

そのまま冷まします。

 

焼いた翌日が一番美味しいですが、

毎日変わっていく味の変化も楽しめる本格的なドイツパンとなります♪

 

今日は

スイスの小さなお肉屋さんで作られた頂き物の生ハムと合わせたく、

胡桃入りで焼きました。

 

 

 

以前、

スイスに別荘を借りて3週間過ごしたことがありますが、

その時に山小屋でいただいた生ハムと胡桃入りのライ麦パンの味が忘れられなく、

今回はこれ。

 

胡桃入りのパンにするのは急に思いついたので、

実はLeinsesamアマの実もついでに入っています(笑)

 

胡桃は

去年の秋に木組街道&メルヒャン街道のフリッツラーに住む義弟の庭から

たくさんたくさんいただいたものがまだあり、

自宅の庭に遊びにくるリスさん達にも分けてあげています。

 

 

 

 

ね?

可愛いでしょ?

 

野生動物に餌付けをするのは芳しくないこととは存じておりますが、

リスはお腹が空くと鳥の巣を狙って卵やヒナを奪って食べてしまうので、

近所で相談の挙句、餌をあげることにしました。

 

そのためか、

アオゲラなどの住宅地では珍しい野鳥も、この近所ではとても多く見られるようになりました。

 

ここがヘッセン州のフリッツラー

 

https://www.travel.co.jp/guide/article/29450/

 

このサイトのお写真は多分冬に撮ったものだと思います。

とてもとても暗い背景ですが、夏は明るい町です♪

この夏のドライブ&小旅行先に、メルヒェン街道はいかがでしょう?