ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフのクッキングスクールでドイツ人に調理の基礎を教えております

日本でドイツパンを焼きたい方へ

 

 

 

仕事先のクッキングスクールでは

調理部門を担当しておりますが、

 

『パンを焼く』

 

ということを

ドイツの自宅ではしております。

 

ドイツではパン職人にはマイスター制度があり

私共調理人とは全く別の世界ですので

製パンに関しては基礎的な知識として勉強しただけですが、

繰り返し焼いていくうちに

自分なりのスタイルというものができてきました。

 

 

 

 

 

フランスパンやイタリアのパン

モロッコのパン等も食事のパンとして焼きますが、

 

やはり常備のパンは

『ライ麦パン』

となるドイツ家庭の我が家。

 

 

 

 

 

 

ドイツ人の主人はこのパンを

スライサーで薄くカットして毎日の朝食としております。

 

 

 

 

 

 

自宅でパンを焼くと

 

『お米を炊く』

 

ということと同じような感覚になるのは私だけでしょうか。

 

これは

 

長年慣れ親しんだ

『お米を炊く』

という行為と重ね合わせた時の感覚ですが、

 

土鍋で炊いてもお鍋で炊いても

スイッチポンの炊飯器でも

 

蓋を開けるときのドキドキ感・・・

 

 

それはパンを焼いた時も同じだと思います。

 

 

 

フランスパンや日本式のパンは

外が綺麗に焼けていれば

食べられないほどの失敗はしてないですが、

ライ麦パンはそうでもなく。

 

 

 

 

噛めば噛むほど美味しいライ麦パンですが、

 

ライ麦には

パンの発酵膨張に不可欠なグルテン成分が少ないので

 

イーストではなく

同じライ麦から自然の酵母の力で作った

サワー種が必要となります。

 

サワー種は

今流行している発酵食品で、

それなりに手間もかかります。

 

以前ご駐在でデュッセルドルフにいらした方が

懐かしいドイツのパンを日本でも焼きたいと、

梅雨時の東京でオトナの自由研究をされました。

 

その結果、

いくつかのことが分かりましたので

ここにシェアいたします。

 

まずサワー種

 

 

 

 

以前ここでも書かさせていただいたパンの記事は

ドイツパンを焼くのは簡単よ♪

みたいな方向でした。

 

https://dusseldorf.hatenablog.com/entry/2024/04/16/051022

 

が・・・

 

これはあくまでもドイツの気候で

ドイツの粉を使った場合でした。

 

まず基礎の基礎であるサワー種を

日本の気候の中、

日本で入手する粉で作ることがいかに大変なことかというのを

今回オトナの自由研究で学ばせていただいた次第です。

 

まず、

東京エリアで一般的に入手できるパン用のライ麦粉には

小麦粉もすでに入っているものがありますので、

 

 

それはサワー種をおこすのにはお使いにはなれません。

 

使うことができるのは全粒粉ですが、

それも日本では粗挽きと細挽きの2種類あるようです。

 

 

 



 

 

この上下の2種類を比べてみると、

上の方がはるかに黒く、そして荒いのがお分かりになりますでしょうか?

 

荒い方の全粒粉で作った場合

水分が浸透しづらいのか

なかなか発酵まで辿り着きませんでした。

 

 

細かい全粒粉は

ドイツの全粒粉と同様に発酵しましたが、

容器の形でその発酵時間も発酵度も変化するということが分かりました。

 

 

 

 

この写真は

細かい方の全粒粉で作ったものです。

 

そのうち上段は成功しましたが、

下の二段は失敗例です。

 

固かったり、

水分が上にでたり

異臭がしたり・・・

 

この実験の結果

サワー種の発酵には、

容器の形も関係するのではないかということに辿り着きました。

 

 

ご覧になって分かるように、

上段の容器と

下の二段の容器は形が違います。

 

両方ともWECK社のものですが、

上段はMold Schapeシリーズのもので

底より上部が広がっています。

 

下二段はいわゆるチューリップ型。

 

底の部分より途中が広くなり

また窄まっている形です。

 

このチューリップ型では失敗しました。

 

もし日本でお作りになる場合には

WECK社のMold Schapeシリーズの500mlでトライされてください。

 

細かい粉は神奈川県平塚市にあるセキグチという食料品屋さんが扱っているものです。

 

サワー種の基本は

 

50gの全粒粉+50℃の50mlのお湯

 

ですが、

 

50℃というのもあくまでも一応の目安で

お風呂の温度より熱い温度、

お茶を入れるのには低すぎる温度とお考えになり、

また、

粉の乾燥&湿気具合によってお湯の量も変わりますので、

多めにお湯を作っておいて

半分入れてから様子を見て継ぎ足すようにされてください。

 

 

 

発酵させる温度ですが、

日本ではお持ちになっていらっしゃるオーブンを最低温度に温め、

温度を切ってから粉とお湯を混ぜて用意したビンを蓋をして入れ、

1時間ほど様子をご覧になって

ぶくぶくと気泡が出ていたらOKとしましょう。

 

私は寝る前に温度を切ったオーブンに入れ、

翌朝取り出して冷蔵庫保存しております。

 

サワー種はず〜っと温めておくものではなく、

発酵して量が増えたら冬眠させてしまいましょう。

 

焼く前に冬眠しているサワー種を起こして、

また活動させますからそれで大丈夫です。

 

パンでも料理でもそうですが、

その土地に根付いたものは

その土地の気候風習にあったもの。

 

ドイツはもともと寒いですし、

昔は温度計なんてものもありませんでした。

 

薪をくべて暖をとり、

鉄鍋で食材に火を通してたその時代、

人間の知恵でできたサワー種、そしてそこから焼いたライ麦パンですもの。

 

材料と、

ちょっとしたテクニックさえ揃えば

そんなに難しいことはないはずです。

 

というか、

そう信じております。

 

もう一つ・・・

納豆菌とキムチはサワー種と不仲なようで、

もしサワー種を冬眠させるとしたら

冷蔵庫の中の納豆とキムチは念の為

密閉容器にお入れになった方が良いかと思います。

 

 

 

美味しいパンが焼き上がったら

あとはチーズにハムに・・・

おいしいブランチの始まりです♪

 

 

 

 

 

 

梅雨の中

野暮用があり一時帰国いたしました。

ロシアのウクライナ侵攻が起きてから

ご存じのとおりロシア上空を飛べない状況ですが、

毎回飛行ルートが変わるのに驚いております。

 

前回秋はカナダと北極上空を飛行しましたが

今回はロシア国境スレスレを飛ぶルートでした。

 

 

 



 

 

 

時間もそこまでかからず。

といっても、

やっぱり日本とドイツは遠いですね・・・・・・