11月に入ると
ドイツの主婦は忙しくなります。
子供が小さい頃は、
11月11日のマルティンの日のためにランタン作りを手伝わされ、
それが終われば幼稚園や学校のバザーの準備・・・
並行して
12月1日までに揃えなくてはいけない、
24日分のアドヴェントカレンダーの用意etc
この忙しさはまさに
昭和の時代の日本の年末のような。。
と
表現するのが一番よろしいでしょうか。
娘たちがそれぞれの家庭を持ってからは
私のお役目は
孫たちのための手作りのアドヴェントカレンダーのみ・・
と
言いたいところですが、
ところがどっこい。
所属するソーシャルクラブのバザーのために
クッキーを焼くことが娘たちにもバレておりますので、
「ママ、
クッキー焼くんでしょ。
バイオリンの先生用にも、ついでに焼いてくれる?
レッスンの時に持たせたいから。 ありがとう」
「ママ、
学校にクッキーを焼いて持っていかなくてはいけないんだけど、
時間がないの。
どうせ焼くならその分を余分に焼いてくれたらありがたい」
という横槍的な注文も入り・・・
まあ娘たちは
家庭を持ちながら100%のフル回転で仕事をしているので
『時間がない』のは仕方がないでしょう・・
というわけで
今年も始まりましたクッキー作り。
クッキーといえば、
ドイツではクリスマスの定番のお菓子なんです。
で、
今年は手始めにドイツの昔ながらのクリスマスのクッキー
Heidesand ハイデザンド から焼くことにいたしました。
以前は
仲間同士で相談して各々種類を決めて焼き、
それを交換して
クッキーの種類を増やしていたのですが、
コロナがあったり
私どもはみんな介護のお年頃だったりと
諸所の事情で仕方なく、
数種類を個人で焼くハメになってしまいました。
Heideというのは『丘』の様なところで、
そこのサラサラした砂状の土のことを指します。
例えばエリカのお花で有名な北ドイツの
Lüneburger Heide リューネブルガー ハイデ
そこにはエリカの花が咲く時期になると
たくさんの観光客で賑わいます。
今日のクッキー
Heidesand
は、
日本の基本の『手作りクッキー』とほぼ作り方が一緒ですが、
バターに一つ仕掛けがあります♪
それは・・・
バターを焦げ目がうっすらつくまで溶かすこと。
これによって香りがワンランクアップ。
卵も入りませんので、
卵アレルギーの方にも召し上がっていただけます。
いろいろ作ってみましたが、
これが一番作りやすいので、ここ数年はこれに定着いたしました。
分量は多く見えますが、
私は生地を作ったら半分にして、
半分はバニラのまま。
もう半分はその時の気分により、
オレンジの皮をすりおろしたものを入れたり、
ローズマリーを細かくしたのを入れてみたり、
残った板チョコを細かく刻んで入れたりしております。
まず、
バター250g(ドイツのひとパック)
をうっすら焦げ目がつくまで溶かしたら
まだ熱いうちにお砂糖を150g
そしてお塩を小さじ1杯入れます。
少し冷めたら
粉を300g入れてよくかき混ぜます。
もしゆるい様なら
大さじ1〜2杯の粉を足しましょう。
これで準備は終わり。
あとはラップを広げて2センチ程度の棒状に形作り、
翌日まで冷蔵庫で寝かせます。
今回は生地半分に板チョコの残りを刻んで入れたので
白と黒になりました。
翌日
冷蔵庫から出して
お寿司を巻く時のようにくるくると転がして全体をまあるくしてから
5ミリほどの厚さに切り分けます。
Heidesandのクッキーは
本来は周りにザラメ糖がついています。
でも
白いザラメ糖はあまり好きではない私。
なのでザラメ糖がついた醤油煎餅もダメなのですが、
黒のザラメ糖なら少しはなんとかなるので、
「これがなければHeidesandのクッキーでない」
という主人のために
白の方には卵液をまわりに塗り・・・
黒いザラメ糖の上で転がします。
これを並べて
180度に温めておいたオーブンで10分から12分焼きます。
本当にSand
『砂』の様なクッキーですので、
すぐにいじるとあっという間にバラバラ事件となってしまうこの焼き菓子。
オーブンから出したらそのまま天板の上で冷ましてあげましょう。
来週から始まるシュトーレンのクラスのために
レーズンは10月から漬けております。
お作りになられたシュトーレンは
そのまま1本丸ごとお家にお持ち帰りいただきますが、
試食として召し上がっていただく分のシュトーレンの方は
もう焼いて熟成期間に入っています♪
あまりに今年は暖かくて
さっぱりクリスマスの準備の気分にならないのですが、
気温に容赦なく
例年通り前に進んでいくカレンダー。
なので
クリスマスの音楽をかけながら
12月の支度を始めているドイツ人家庭です・・・