ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフの大手料理教室で講師をしております

タコブツの赤ワイン煮とマルタ島のお話

#Stay at home: 30日目

 

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タコ続きのお話

 

タコを一匹茹でるとかなりの量となりますので、

アタマの部分とアシ1本くらいは

大雑把に切り冷凍いたします。

ちょうど日本でもあるタコブツ?

状のものとなります。

 

この赤ワイン煮を初めていただいたのは

大好きなマルタ島でした。

 

シチリアの横、地中海にぽこっと浮かぶ小さな島マルタは、

デュッセルドルフ空港からエアマルタ航空の直行便で2時間半ほどで行けます。

 

その地理上、

太古の時代からいろいろと争いに巻き込まれたこの島は

世界史の教科書にも数々登場しています。

 

砂のビーチが少ないのでお子様連れには向いていないかもしれませんが、

その歴史背景から、

北アフリカとイタリアの食文化が融合し、

最後の統治国イギリスの影響で、

本格的なパブまで揃っているこの国は、

食いしん坊でただ単にぼけ〜っとしていたい主人にピッタリ。

マルタで常宿となるホテルと出会ってから、

一年に数回は足を運んでおります。

 

観光立国ですのでいろいろホテルはありますが、

お気に入りはRadisson Blu Resort St. Julian

サンジュリアンという地名がホテル名についてはいますが、

インターコンチやヒルトンのある華やかで賑やかな場所ではなく、

その横。

St.Georges Bayの先、

海の目の前に立っているホテルが常宿です。

 

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お向かいはシチリア島。

塩野七生さんの本に出てくる世界となります。

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マルタ島はバスの便がとてもよく、

最初は戸惑いますが、

慣れてしまえばバスでどこまででも行けます。

だって東京23区の半分くらいの大きさですもの。

 

「あら困った。もうなくなった。。

ねえねえ、マルタ島へまた行かなくっちゃ」

と主人に私がいうのには理由があり、

そこにしか売っていない乾燥ケッパーを入手するためです♪

 

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このおばさんのエプロンの手前にある白い保存容器の中。

そこにお目当のケッパーがあります。

 

ケッパーは酢漬けの瓶詰めが主流で、

あとはイタリア食材店に塩漬けがありますが

マルタ島にはケッパーを太陽の下で干したものが売られています。

 

そのほかに買って帰ってくるものは

もちろんお塩。

 

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これがマルタ島の塩田。

市場ではこの塩田からのお塩に、

島で取れたハーブを混ぜたものも売られています。

 

日本ではタコブツはキュウリとの酢の物が主流でしょうか?

マルタ式も捨てたものではないので、

お試しになって見ませんか?

同じ方法で、

冷凍のミックスシーフードでも作れます。

ただし、

この場合には煮込まずに

一番最後にお入れになったほうがよろしいかと存じます。

 

レシピ:

タコブツ ニンニク

ニンジン ジャガイモ

ドライトマト ブラックオリーブ ケッパー(瓶詰めのでもOK)

トマトピュレ 赤ワイン

レーズン くるみ

マジョラム タイム

お塩 オリーブオイル

 

ニンニクをオリーブオイルで弱火でゆっくりと香りが立つまで火を入れます

 

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そこにニンジン

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そしてジャガイモとトマトピュレ

今日は赤皮のジャガイモで作ります。

 

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これを一緒に火を通し

 

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そこにタコを入れて、

赤ワインとお水と半量くらいお鍋の中身が隠れるくらい入れます。

ハーブも、

そしてこのマルタのお料理三種の神器

ドライトマト オリーブ ケッパーも

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そして酸味調節のレーズンを大さじ1杯〜2杯ほど。

このレーズンを入れてワインやトマトの酸味を調整するという方法は、

地中海の島々でよく見られるやり方です。

日本の方は驚かれるかもしれませんが、

よく煮込みますので、

レーズンは好きではないの。。

という方も気がつかないくらいの裏方となります。

もしレーズンがなければ、

お砂糖で酸味を調整されてくださいませ。

蜂蜜ですと、風味が変わってしまいます。

 

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お鍋に蓋をしてコトコトと。。。

最後に

柔らかいタコやお野菜を口に含んだときのアクセントとして、

くるみをエンドウマメくらいに割ったものを混ぜて完成。

でも、くるみを入れなくても構いません。

 

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上に大きなケッパーを乗せれば、

食卓はマルタ島。。。

 

そういえば、

カリブ海の島々もスリランカも南インドもアフリカでもそうですが、

旅行中よく見るのが日本の中古のトラックやバイクです。

 

マルタで撮った一枚の写真。

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元うなぎ屋さんなのに。。

マルタでは

EBI

エビ!

 

と、活躍しています。

 

Stay at home も30日目となりました。

 

お家にいようね♪

と言っても、

お家のいない人たちもいます。

 

週一回でお手伝いしている生活保護家庭へのボランティアも

ストップとなっておりますし、

みなさん、どうやって暮らしているのかとても心が痛みます。

 

ごくありきたりの日常に戻れますように。

 

そしてまた安心して旅行にも行けますように。