ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフの大手料理教室で講師をしております

Eintopf ドイツの煮込みスープ ちりめんキャベツのお話



Eintopf アイントップ


Ein はドイツ語で 一つ。
Topf はお鍋・・・・・


ですので


訳せば、

『お鍋ひとつ』



でもそのととおり♪





お鍋ひとつにいろいろなもの・・・



お豆やお野菜、ジャガイモに、



香味野菜や




塊のベーコン





ソーセージ等を入れて





煮込んだ中身たっぷりのスープがアイントップです。




スープといっても
これひとつで主食となるドイツの家庭料理です。








なので、おでんもドイツ人からしてみればアイントップ。



ドイツ人の主人がおでんを東京で初めて食べたとき、


「あっ、これは日本のアイントップね」


とか申しておりました。



いろいろなものを一つのお鍋に入れて煮込んでしまう知恵は、
おそらく世界共通のものなのでしょう。







『土曜日のお昼は残り物の片付けの日。
だからうちは一年通してアイントップよ』



『あら、うちは金曜日よ、だってお掃除の日ですもの』




という、ドイツ人友人も数人います。









私がドイツに来た1970年代後半の学食は
なんと1食 平均で


1マルク50ペニヒ・・・

でした。




現在のユーロに換算すれば、一食60セントくらいでしょうか?






そこでの学食は毎週金曜日がアイントップ。


この日はたいてい乾燥グリンピースから作ったドロドロのスープで、
1マルク20〜25ペニヒ?・・だったような覚えがあります。



この日になるといそいそと喜んでアイントップを注文するドイツ人の学生を横目に



日本人の私は「なんでこんなものが・・・・」

と思ったものでした。




あれからもう40年以上の月日が経ち、
そのどろどろのお豆のスープは現在では我が家でも冬場によく食卓に登場する家庭のスープとなりました。





アイントップにもいろいろあり、


お豆やジャガイモがいつも入るとは限らず、
この冬の時期は
ポワローねぎやサボイキャベツ(ちりめんキャベツ)を使ったもの、そしてケールも大好きな冬のアイントップです。




サボイキャベツ、またの名の縮緬キャベツはドイツ語ではWirsing ヴィルジング。





今の時期、
スーパーや市場で濃い緑色の葉っぱをひろげて、





さあおいしいよ、僕たちの季節だよと、



よびかけてくれています。







解体するときにはいきいきとした外葉と、大事にくるまれた中とをわけると使いやすいです。







外葉は捨てないで、さっと塩水で湯どうししてからフライパンで炒めれば、いつもと違う野菜炒めになります。



もしくは細かく刻んで挽肉と卵と一緒にまとめ、
ロールキャベツのようにしてもとても美味しくいただけます。



トマトソースで煮込んでも。

または和風だしで煮込んでも・・・



キャベツやこのサボイキャベツ等

こちらのキャベツの類は大きくて使いきれず、
冷蔵庫の肥やしになってしまう可能性がありますが、



こうやって色々と使えます♪


今日灰の水曜日でカーニバルも終了。


ドイツ人は今日から6週間後のイースターまでを『断食の期間』として、



・お酒や甘いものを断つ

・肉類を食べない



という方も多いようです。





でも今風バリエーションとして、



・毎日車での通勤を自転車に変える


・夜はテレビをつけずにネットもおろして読書する



という期間にするというお話も聞きました。





娘たちが通っていた小学校は
ドイツの市立ではありますが隣に教会があるカトリック小学校でした。



当時、
灰の水曜日に娘のクラスでも自分で何ができるか文章を書いたそうで。



その一部を保護者会の時に担任の先生が読み上げてみんなで大笑い。


・6週間宿題はやらないことにする

・ピアノの練習は6週間しない


・・・・・笑笑








イースターまでの6週間、
さて私は何を断ちましょうか・・・・