日本国内でも食文化が
地方によって変わるように、
ドイツでも場所によってずいぶんと違ってくるのは
ご存知でしょうか。
東西南北
食材の呼び方も調理の仕方も
そして
お野菜によっては
その種類があるところとないところがあったり。
でも
日本での『ドイツの食文化』のイメージは
むしろ南ドイツの方面かも。
なので今回は
あまり馴染みがないかもしれない北ドイツのおいしいものをご紹介します♪
北ドイツといえばまず
ドイツの海の玄関 ハンブルグ。
日本から送った引越し荷物の船便は、
スエズ運河を通って地中海に出て、
ジベラルタル海峡をわたりポルトガルやスペイン、フランス沖を通過、
エルベ川を通ってハンブルグの港に着きます。
そのハンブルグがふるさとの
Franzbrötchen
は、
一度はホンモノを召し上がっていただきたいドイツの食の一つです。
最近ではこのFranzbrötchenも
ディスカウントスーパーに登場し、
ついに全国版となったようですが、
もし北ドイツ方面に行かれたら、
パン屋さんでおひとつ
ぜひどうぞ。
フランツ ブレートヒェン
と
いう名前のこのパンは、
フランツという名前の人が初めて焼いて売り出したわけではなく、
『フランス式』
という言葉から派生しているそうです。
このパンを
半分に切るとこんな感じ
↓
中は層になっていて、
お味は日本のシナモンデニッシュにそっくり。
なぜハンブルグがふるさとのパンなのに
『フランス式』なのかというと・・・
1806年にナポレオン1世が神聖ローマ帝国を解体し、
ドイツの一部は彼の圧力でフランスの従属国となりました。
その時もちろん
ハンブルグもフランスの支配下となったわけです。
法律も
ナポレオンが作ったナポレオン法典に変えられ
かなり人々は苦しんだとか。
で、
食べ物もその時に当時のフランス的なものが導入され、
シナモンを織り込んだこのパンもそういうわけで
『フランス式の』
となったそう。
当時
入ってきたのは食べ物だけではなくて言葉も然りで、
フランス語の『さようなら」
adiu アデュー
が
adhüs
と訛り、
そこからドイツ語のバイバイにあたる
Tschüs
へと変化したそうで。
たった一つのパンですが、
とても大きな歴史の流れを感じます。
そういえば・・・
以前
ドイツのクッキーのお話から
マリー•アントワネットのお話をしたことがありました。
もしよろしければご参照くださいね。
https://dusseldorf.hatenablog.com/entry/2019/11/05/033414