テイクアウトのインビスや、社食でおなじみのZigeunersauce
ツィゴイナーゾーセ
と発音します。
「あらこれは、
チゴイネルワイゼンと発音が似てるわね」
と思われた方は正解で、
チゴイナーというのはジプシーのこと。
ドイツではジプシー民族を表現する『チゴイナー』は差別用語となったため、
最近ではパプリカソースと名前を変更したところも多いです。
あまり日本では知られていませんが、
第二次世界大戦中にナチスによって破壊されたのはユダヤ人のみならず、
ジプシー民族もでした・・・
よってドイツでは、禁語範囲の一つです。
このソースが紹介されたのは、第二次世界大戦のずっと前、
1908年のことでした。
フランス料理を体制化したエスコフィエが出した料理本の中に出ている
A la zingaraがそれ。
おそらくハンガリーで提供されていた
赤いパプリカ主体のソースを意味したものだったようです。
今ではドイツの国民食。
フランス人エスコフィエのレシピは
マッシュルームが入っていたりフォンが入っていたりと少しおめかししたものですが、
国民食ですもの。
肩の力を抜いて
カジュアルにいきましょう♪
本当に簡単ですので、
コロナ禍で社食もクローズというこの最中、
『あれが食べたい』
とおっしゃるご主人にいかがでしょう?
社食では、大抵はポークのシュニッツェルにかけて出てくるようですが、
ハンバーグでも合いますし、
フライドポテトとも合います。
基本的にいるものは:
にんにくひとかけのみじん切り (入れなくてもOK)
玉ねぎ1個の薄切りかみじん切り
パプリカ1個 (赤でも黄色緑色でもお好きなのでどうぞ)のざく切り
トマトピューレ大さじ1杯〜2杯ほど
お砂糖
パプリカ粉
サラダオイル
小麦粉
お好きなコンソメ
お塩
フライパンか小鍋ににんにくとオイル大さじ1杯を入れて
香りが出るまで中弱火。
そこに玉ねぎを入れてじっくりと炒めます。
そこに小麦粉を大さじ1杯。
玉ねぎにまとわすように炒めたらトマトピューレも入れて、
そしてお水をコップに1杯強。
火を強めて泡立て器でとろっとさせます。
そこに
野菜ベースのコンソメがあればそれも入れて、
なければお手持ちのコンソメで。
お砂糖とお塩で調味。
そしてお野菜のパプリカを投入し、
パプリカの粉も入れてお野菜のパプリカに火が通るまで煮ます。
これが基本・・・
で、
ここでバージョンアップ編♪
もしこのスモークしたパプリカの粉があれば、
それも入れるとあっという間に本格的になります
↓
デュッセルドルフではBenrather StraßeのManufactumでも扱っていて、
辛いのと辛くないのの2種類があり、
写真の右側の唐辛子が3本ついている容器が辛い方です。
これが一つあると、
スペインのバル風のタパスが一発で決まります♪
そしてもう一つの秘密兵器があります。
それは・・・
ケチャップ。
でもビオのケチャップをお使いくださいませ。
全然お味も香りも違います。
我が家は
娘たちがまだ家にいる頃も『ケチャップ』というのは存在しませんでした。
オムライスにかかって出てくるあれは、
べちょっと絡まれたあの甘さで卵がかわいそう・・・
そして
ニッポンの洋食の代表 『ナポリタン』や『チキンライス』も、
別にケチャップである必要もなく。
という自己流認識で、
自宅には『ケチャップ』は一切存在しない調味料でした。
が・
娘の家で常備してある孫の好きなこのケチャップを
半信半疑で一度試してから、自宅にも存在するようになったケチャップがこれです。
↓
あの甘ったるいケチャップとは全く違う、本当のトマトを煮詰めた味がするこのケチャップ。
ビオのお店で入手できます。
スモークしたパプリカ粉とこのビオのケチャップが隠し味となり、
スプーンですくって食べちゃえるくらいのおソースとなります♪
ここにもう一つ・・
バリエーションがあります。
フランスのエスコフィエからドイツの国民食へ。
そして
イスラエルの国民食にも変身しちゃうという♪
基本は一緒で、
そこに大きなトマトを一個ざく切りし、
それをお野菜のパプリカと一緒に煮ます。
辛い方のスモークしたパプリカ粉とともに
クミン Kreutkümmel のパウダーで調味して、
人数分の卵をポトンと落とし、
このおソースの上で半熟にしたものは
お手軽バージョンのシャクシュカ♪
イスラエル・・・
またパレスティナとの揉め事がぶり返してきました・・(涙)
これ以上醜くならずに収まりますように。