ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフのクッキングスクールでドイツ人に調理の基礎を教えております

ジャーマンポテト Bratkartoffelnのお話






週末、家に帰ってきてソファでダラダラしていた三十路の娘が、


「ねえ、なんでこのお料理を日本ではジャーマンポテトっていうの?」


と言い出しました。

なあに?

と、娘が見ていたサイトをのぞいて、


ああ、なるほど。


『ドイツ人に教わった本当のジャーマンポテト』


とか

『直伝ジャーマンポテト』等の日本のレシピを読むと、


レシピに


『ソーセージ、ニンニク、オリーブオイル、ディル、粒入りマスタード等』


が入っております。



でも、


ドイツではジャガイモをフライパンで炒めるBratkartoffelnには、


ソーセージは入りません。


オリーブオイルも使いません。


粒入りマスタードも飛び込みません。



そしてトッピングとしてのディルは、

北ドイツ、ハンブルグの方の地方料理

パンフィッシュと呼ばれるお魚のお料理の時の

Bratkartoffelnには入りますが、


いずれにせよドイツ全国区ではありません。


ドイツの商工会議所での調理人認定試験のために習う基本のBratkartoffeln・・・・


ジャーマンポテトの基礎の基礎には玉ねぎとベーコンが入りますが、


そこでは


『シンプルだけにジャガイモだけの』


ジャーマンポテトも教わります。




レストランによって

Speck ベーコンや 玉ねぎが入る場合、


大抵はメニューにも


『Bratkartoffeln mit Speck und Zwiebeln』


とか書いてあります。



私たちの住むデュッセルドルフ地域では、


ソーセージが入ったり卵が飛び込んだりするものは


Bauernkartoffeln  ジャガイモの農家風


という別物となることが多いようです。




本来は生のジャガイモから作りますが、



時間もかかりますので、簡単バージョンで基本の作り方を説明しますね。







簡単バージョンでは、


茹でたジャガイモの残り、


もしくは散々しつこく登場する『粗塩ジャガイモ』を使います。




粗塩ジャガイモとは、


耐熱性の容器に1センチほど粗塩を並べ、


そこに洗って水気を取ったジャガイモをポンポンと重ならないように並べるだけで火を通す方法です。



それをケーキを焼くときや、



オーブン料理をする時に160度から180度のオーブンで30分ほど火を通しておけば、

あら、


ジャガイモが欲しかった。。。なんていう時、


あっという間に火が通っているジャガイモが目の前にあるという優れものとなります。




お味噌汁にもスープにも。。。何でもどうぞ。


だってジャガイモは火を通す時間が面倒なときもあるのですもの。


こうしておけば、いつでも使えます。


熱い時にお塩のベッドから出し、


冷めてから蓋をしたり、袋に入れたりしないで冷蔵庫に入れておけば、


1週間は持ちます。


小さいものは火が通っていますし、


大きなものは真ん中まで柔らかくなっていないかもしれませんが大丈夫。


例えば、


ジャーマンポテトには


中まで柔らかくなっていないジャガイモの方が向いているかもしれません。



このジャガイモのベットに使ったお塩は


何回でも、何年でも使えますので、


ガラスか陶器に入れてとっておきましょう。


我が家のは、もう15年選手。



ですので、色もジャガイモみたいな色になってしまいました。


お水で茹でたジャガイモも
こうしてお塩のベットで火を通したジャガイモも、


ジャーマンポテトにする時には1日立ったものを使いましょう。



そうすることによって澱粉質が落ち着き、

外はカリカリ中はほっくりの

理想のジャーマンポテトを作ることができます。





ジャガイモは皮をむき、切ります。




今日はこのような形に切りましたが、

横にスライスでも断面でも、

またシェフによってはフレンチフライの形にカットされる方もいらっしゃいます。



重なる表面が少ないので、薄く切るよりお料理しやすいです。




切ったジャガイモをボウルに入れてサラダオイルをまわしかけ、

手で全体にオイルをまぶします。


この時に、おいしくな〜れ、おいしくな〜れと、おまじないもかけます♪




ドイツでは、

ドイツ料理にオリーブオイルは使いません。


オリーブの木も生えてないですし。


というか、

オリーブオイルは独特の香りがありますので、

二本の足で大地にズシンとついているドイツ料理の香りには合わないと思います。

オイルでコーティングしたジャガイモをフライパンに入れ、



中火くらいに火をかけ、蓋をして



5〜10分ほどかき混ぜないで下の部分を焼きます。

ジュージューと音がしたら、上下をひっくり返し、



また蓋をして、

少し火を落として同じくらいの時間また焼きます。


下の部分も焼けたら蓋を取り、


中の水分を飛ばすように少し温度を高めにして





全体をカリカリに仕上げるようにします。

北海の玄関キールを中心とする地帯では、

お砂糖を最後に落としてキャラメリゼする場合もあります。

義祖父が美食のふるさと、アルザス地方出身なので、


「最後にちょっとだけバターを落として風味を高めるのが我が家風よ。」


と、嫁に来た時に言われたことをそのまま守り、

今でも自宅ではバターが少量、最後に飛び込んでおります。


味付けですが、


お塩の他に、


パプリカ粉、キャラウェイを入れることもあります。





パプリカはRosenpaprika sharfという辛いパプリカと、



このEdelsüssと書いてある普通のパプリカがあるのでお買いになる際にはご注意ください。


辛いパプリカはハンガリー料理によく使われます。



娘たちがまだ学校に行っていた90年代は、

ドイツの学校は13時30分まで。


ほとんど毎日13時45分ごろに自転車で家に帰ってきました。



よくお昼ご飯に作ったのが、


この『ジャーマンポテト』とサラダのコンビ。





ウェストを気にしだしたギムナジウムの高学年になっても、

このお昼ご飯はよくリクエストされました。


これを作ると、玄関を開ける音と、

犬たちのワンワンワン、


そして、「ただいま〜」っという声が聞こえてきそうです。



追記 / 2023年3月1日
ジャーマンポテトの作り方をyoutubeにアップいたしました。
ご哄笑くださいませ。

www.youtube.com