ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフの大手料理教室で講師をしております

外国の方をお招きする時のお話 

#Stay at home 

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またまたなんだか訳のわからないものが流行っております。

そういえば、狂牛病だの、鳥インフルエンザだの、

これまでもいろいろありましたが、

ここまで大騒ぎになっているのは、

もしかしたら中世以降の出来事かも知れません。

そのため、お教室はクローズ。

予定していた旅行もキャンセル。

その中、主人が急に

「クライエントとワインでも飲みに行こうと思っていたのだけれど、外よりもうちの方がいいから、週末呼んでいい? 

シークレット内容ではないし。 

1人はスイスにスキーの予定。1人はシチリアに行くのだったのが、やっぱり取りやめになったんだって。

うちも、どっちみち旅行に行かないから家にいるし。」

と、申します。

若い頃なら睨みつけたでしょうが、

最近は私もずいぶんと丸くなりまして。。。

 

というわけで、今日が金曜日。

二日後の、

日曜日の早い夕方の時刻でのご招待となったわけですが、

こちらでのご招待は夫婦単位ですので、

計6人となります。

 

さてさてどうしましょう。

もう少し後の時期なら前菜からデザートまでアスパラの、

『アスパラ尽くし』とかをしたりもできますが、

まだ3月ですし。。。

 

こういう『困ってしまった』場合

まず、食器の選択から始めてみます。

食器戸棚を開け、

自分へのムード作り。

おもちゃ箱をひっくり返したように和の小さい食器を出していると、

あ!

と、ひらめくのがほとんどです。

『ひらめく』

といっても、

キラキラとした素晴らしいお料理ではありません。

 

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ほうれん草のおしたしに

ひじきの煮物

竜田揚げ

ナスの味噌煮 ゆず風味

冷凍庫のシメサバを焼いてもいいし。。

黒い塗りの蓋つきの器には

お蕎麦に温泉卵、

その上にあさつきを重ねて置いて。

心を込めて丁寧に取ったお出汁で、あたたかいお汁を作り、

それを有田焼の湯さしに入れて、

皆様にかけて回りましょうか。。。。

 

家庭は、レストランではないし、

主婦、

そうシュフはシェフ役も一人でしなくてはならないし。

あれもこれも。。。と思うととても疲れますので、

いつものおかずでおもてなしをするのが、

一番いいと考えています。

 

いつものおかずなら、

お散歩に行きたいワンコがその辺でウロウロしてても、

ネコちゃんがスリスリしにきても、

子供が、

『ママ〜』

と来ても、

作れますもの。

 

え〜

こんなに〜

 

なんて思わないでくださいね。

ひじきの煮物はたくさん作っていつも冷凍してあるし、

あとは明日ちょこちょこ作れば、

当日は慌てなくても大丈夫。

竜田揚げはオーブンに入れて温めておけば、

キッチンが油だらけになることもありません。

 

市場でチーズを数種類、

チーズ屋さんに訳を話して選んでもらい、

昨年の秋に作った

庭のぶどうの手作りジュレとバケット。

そして、

生ハムやサラミの類、

パテも冷蔵庫の中で待機させておけば、

その状況ですぐにお出しできますし、

和食だけでは物足りなさそうになることもありません。

 

あとは、

シャンパンと白ワインを冷蔵庫へ。

赤ワインはコルクを抜いておきましょう。

でもこのあたりは、

自宅では主人の役目。

 

 全て準備をしておけば、

さっとシャワーを浴び、

髪を洗ってお化粧する時間だってあります♪

 

そのために、

お客様が決まったら、

数日前からのスケジュール表を書いておくのも便利です。

 

テーブルセッテイングは、

まず最初にやってしまいましょう。

 

今回は和食にするので、お箸ですが、

お箸が使えない方もいらっしゃるので、

その方がお困りにならないように、

フォークとナイフを紙ナフキンに包んで横にセッテイング。

何気なく横に置いておけば、

肩肘張らずにお使いいただけます。

下の写真の右側の黒い紙ナフキンの中身がそれです。

 

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帰国したときや旅行先で目に留まれば買ってしまうのがテーブル小物たち。

 

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例えばこの鯉の瀬戸の置物は、

置いておくだけでちょっとしたアクセントにもなり、

そしてご存知あげないお客様との会話の元になったりもします。

主人の仕事の関係は、

存じ上げない方ばかりですので、

差し障りのない話題、

要するに

スモールトークをいかに続けるかも技。

 

そのために、

この小物たちは、

とても役に立ってくれています。

 

一応食材は揃えたのですが、

明日作りながらまたいろいろアイデアが出たりして。

もしかしたら、

日曜日のお膳は全く違ったものになってしまったり。。

それで、和の食器を主人に手伝わせて大急ぎで片付け、

洋食器を出すことになるという状況も、

過去にいくつもありましたっけ。。

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↑この一皿も、

実は和食になるはずだったお魚でした。。

でもそれでもいいと思います。

化学の実験みたいになったって、

お料理するときに楽しければ、

作ったお料理はいただいたとき、

その楽しさが心の中に入ってくれます。

 

外国のお客様をお招きすると思うと気が張ってしまいますが、

大丈夫。

ご家族に毎日作るお料理が一番おいしいのだから、

それでお招きしてみませんか?

 

あら?

どちらが外国の方?

もしかして、ここでは私だったり。。。