ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフの大手料理教室で講師をしております

Würzfleisch / Ragout fin ローストチキンのリメイク 東ドイツのチキンのグラタン

 

日本でも食文化は地方色が強いですよね。

 

それと同様に

ドイツでも東西南北

いろいろと食の文化も変化します。

 

みなさまお馴染みの小さな丸パンBrötchenは、

   南に行けばゼンメルとなり、

日本人なら誰でも大好きマヨネーズ仕立てのポテトサラダだって

   全国版ではないのがここドイツ。

 

      今日は

こちら西側ではほぼ登場しない東ドイツの家庭料理

     Würzfleisch

またの名を

     Ragout fin

という、グラタンのご紹介をいたしますね。

 

 

 

 

ホカホカで

体の芯から温まるこの小さなグラタン。

 

小さな肉片が入りますが、

ローストチキンの残りを使うとあっという間に出来ちゃいます。

 

 

まず・・・

ローストチキンをいただいた後、

キッチンをお片付けする前に

残ったお肉と骨を分けてしまいましょう。

 

そして

骨の部分をお鍋に入れて

冷蔵庫の片隅に寝ている根野菜やハーブと一緒にスープを取ります。

 

 



初日はここまで。

 

 

翌日。

 

まずオーブンを180°に設定しましょう。

 

そうしたら

耐熱性のココットか小さなグラタン皿に

前日の残りのお肉を小さく切って並べます。

 

 

 

 

 

マッシュルームがあれば、

それを薄切りにしてこの上に並べます。

 

 

 

東独時代は、

中国製のマッシュルームの缶詰やアスパラガスの缶詰を使っていた方が多いようです。

 

なので、

お手持ちの缶詰でも大丈夫。

マッシュルームはなくてもかまいません。

 

 

ここまで準備ができたら、

小鍋にバターかサラダオイルを入れ、

そこでみじん切りにした玉ねぎを炒めましょう。

 

私はエシャロットでするのが個人的に好きです。

 

 

 

 

玉ねぎ(エシャロット)に透明感が出てきたら

バターやオイルと同量の小麦粉を入れ

 

 

 

一緒によく火を通します。

 

 

 

 

ここに前日とっておいたスープを適量加え

 

 

 

泡立て器に持ち替えてベシャメル状のものを作ります。

 

これを

お肉&マッシュルームの上からかけて

溶けるチーズをのせて・・・

 

 

 

 

オーブンでチーズが溶けるまで焼いておしまい。

 

これをトーストパンのような白いパンで

器の中のソースを拭いながらいただきます♪

 

 

 

 

 

現在の東側では

レモンの櫛切りが必ず添えられて出てきますが、

 

東独時代はレモンは添えられず、

ウスターソースの瓶が必ず出てきました。

 

 

 

これがドイツのウスターソースです。

 

色々なメーカーから出ていますが、

酸味が特徴。

 

ドイツ語では

『ウスターソース』とはいわず、

 

『ウォーチェスターゾーセ』

 

といいます。

 

食卓でパラパラかける以外にこの1本は

BBQソースを作るときに使ったり、

ビーフのユッケ?タルタルステーキの時に使ったりしております。

 

ローストチキンの残りのリメイクレシピは色々ありますが、

寒い時期のグラタンとして

土曜日のランチやアッペンタイザーとしてもお試しください。

 

 

 

週末、

日本のテレビのお正月慣例番組

芸能人格付けチェック2024を見て

ひっくり返って大笑いしました。

 

日本語がわからない主人に遠慮してヘッドフォンをつけて見ていたのですが、

私がひっくり返って大笑いしているので、

主人が

「何見ているの?」

と参戦。

 

ドイツ語に同時通訳するのは面倒・・

 

と思ったのですが、

あの手の番組は日本語がわからなくても理解できるみたいですね。

 

 

毎年慣例のワインを当てるゲームで

今年は1本100万円と1本5000円のワインが登場しました。

 

100万円のワインは

1995年の『シャトー・ル・パン』

 

ぎくっ・・

 

え?

 

 

ドイツでは女の子が生まれると、

その生まれ年のワインを買っておいてワインセラーで保管し、

その子がお嫁に行く時に

婿殿のご家庭とそのワインを開けるという風習があります。

 

コロナの真っ最中に結婚した娘。

 

 

 

 

実は

この娘の生まれ年ワインとして

私たちが用意していたのがこの

 

『シャトー・ル・パン』

 

の1987年でした。

 

 

 

 

これは、

娘が生まれた時に一箱6本注文して

数年後に販売可能となった直後に

入手し、大事に大事に保管しておいたワインです。

 

番組の中で

「1995年は、ル・パンの中では若い方です」

とソムリエの方がおっしゃっていましたが、

 

問題はそこではなく。

 

このワイン。

いざ結婚の時になると

 

「勿体無い・・・・

ワインはそこまでわからないし、もしかしてそれ、売れない?」

 

と言い出した娘と婿。

 

相談の結果、

日本で売却いたしました。

 

ネットで売ると外国の方が買ってしまうということでしたので、

ある筋を通してミシュランの某レストランに引き取っていただきました。

 

引き取っていただいたレストランには、

娘が生まれた時に注文して

入手した特別なワインということのお話もさせていただきました。

 

レストラン側からは

ドイツの風習にお客様に触れていただくこともでき、そして

幸せのお裾分け的なワインにしていただけるということでしたので、

ワインも立派なお店にお嫁に行くことができてとても嬉しい気分でした。

 

が、

 

1本100万円・・・

そんなんなら、

1本うちにとっておいて、飲んでみたかった・・・

 

というのが番組を見た後の実際の感想です。

はい。