ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフの大手料理教室で講師をしております

Wienerschnitzel ウィーンのシュニッツェルのお話

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誰でも大好きシュニッツェル♪

 

Wienという固有名詞がシュニッツェルの前につけば、

それは大抵は子牛肉で、

細かいパン粉をつけてフライパンで揚げ焼きしたものですが、

ウィーンでも豚肉を使っているところがあります。

 

例えばとてもとても有名なFiglmüller。

ここでは豚肉を使っています。

 

https://figlmueller.at

 

実際の写真がこれ

 

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ドイツのレストランではシェアは一般的にはしないものなので、

主人の分と二皿頼んだのですが・・・

 

私の分は

とてもとても食べきれず、お持ち帰りの袋に入れてもらいました。

 

これがその入れてもらった袋

 

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この時は、翌朝の飛行機で自宅に戻ったのですが、

主人が袋の中のシュニッツェルをのぞいて申しますのは・・

 

「え?

大きくなってないじゃん。。。」

 

なぜかというとこの袋、

 

Das Schnitzel ist hier gross geworden

 

シュニッツェルはここで大きくなりました

 

と、

書いてあるので(笑)

 

残り物のシュニッツェルは、袋の中でフライト中も大きくならず、

残念ながらそのままの大きさでございました・・(笑)

 

 

 冗談はともかくとして。

 

ドイツのレストランでも、前に『Wiener』ウィーンの、

もしくは『Kalbs』子牛という文字がなければ、

シュニッツェルはそのほとんどが豚肉です。

 

最近は豚肉は食べないイスラム教の方々も多いので、

Puteシチメンチョウ とかHühnchenチキンとかのシュニッツェルを出しているところもあるようです。

 

 

Natür Schnitzelという名称もあり、

それはパン粉はつかずに、そのままソテーしたお肉。

 

お教室に来ていらっしゃる方も、

「シュニッツェルとあったので注文したら、ただのソテーでがっかりしました」

とおっしゃっていたことがありますので、

多分

Natür Schnitzel

だったのだと思います。

 

 

お肉を薄く叩き伸ばして衣をつけ、揚げ焼きにしたシュニッツェルは、

ウィーンではお皿の大きさということが条件のようで・・

 

 

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びっくりするくらいの大きさで出て来ますが、

とても薄いのでペロリといける・・・

 

と、思います。

男の方とか、

一日中歩き回って、とてもお腹が空いて入れば・・・

 

 

先日のお話に戻りますが、

主人のコレクションから見つけた曽祖母の、初版が1928年 

ウィーン発行のこの料理本

 

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 ここにシュニッツェルのウンチクが書いてあって、

そこには、

『シュニッツェルには薄切りのレモンと、その上にアンチョビとケッパーを添える』

とあります。

 

理由は、

昔は冷蔵技術が発達していなかったのでお肉の保存状態が良くなく、

お肉の匂いを消すためのレモン、

そして当時は、

チロルの山を越えて来たアンチョビとケッパーという

香りの強いものと一緒に、シュニッツェルの上をなすって、

香りを移してからいただいたそうです。

 

レモンもアンチョビもケッパーも・・

 

南国への憧れと、

そういう品々も買えるという、当時の豊かな生活の象徴だったのかもしれません。

 

 

 

我が家のシュニッツェルも教科書どうりに♪

 

 

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もちろんグムンダーのお皿で。

 

グムンダーはオーストリーのお皿、

とても気に入っています。

 

*追記*

 

シュニッツェルにつきものの、ウィーンのポテトサラダはこちらです

https://dusseldorf.hatenablog.com/entry/2021/02/09/183635

 

よろしければご参照くださいませ。