ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフの大手料理教室で講師をしております

ドイツの水菜 Stilmusのお話

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市場やスーパーで売られているこのお野菜。

Stilmusシュティールムスとライン川流域の北西地域では呼ばれています。

見た目、

日本の水菜とほぼ同じようですが、

実はこのお野菜は、

私たちの住むこの地域と、

もう少しライン川の上流、ようするに南の地域のラインランド方面でしか

食卓にはあまり登場することはありません。

 

主人はフランクフルト近郊、タウヌスの一角で育ち、

大学もヘッセン州でしたので、

仕事でこちら方面に住むことになるまで、

このお野菜の存在すら知りませんでした。

 

別名もいくつかあり、

その中の一つ、

Rübstielリューブシュティール、

『カブの茎』と言われているように

カブの葉っぱを育てたものがこれ。

 

長距離の運送には向かないお野菜ですので、

スーパーで手に入るものもすべて地元のお野菜となります。

 

カブもアブラナ科ですので、

このお野菜もアブラナ科です。

 

ドイツの家庭では、

細かく切ってソーセージ等と、くちゃくちゃになるまで煮たりします。

日本の水菜は長く茹でてしまうとなんだかわからない葉野菜になってしまいますが、

ドイツのStilmusは、少しだけですが繊維が残ってくれます。

そして、ニガミやゴワミ、辛味が、

日本のものよりも少ないのが特徴でしょうか。

 

ドイツでは冬の調理野菜ですので、

ドイツ人の生徒さんのお教室で、

このお野菜を中華鍋でささっと炒めたり、サラダにすると、

「え? これでもう食べれるの?」

と、マジシャンに魔法をかけられたみたいにびっくりされます。

 

10月からがシーズンで、

春の足音が聞こえると、店先から姿を消してしまいます。

ですので、冬、グリーンが欲しいときにいかがでしょう?

 

葉っぱと下の茎の部分を分けて使うのがコツ。

茹でる時には、

最初に茎、

そして葉っぱと時間差投入をすると、

お浸しもワンランクアップとなります。

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長ネギ、もしくはエシャロットのみじん切りをバターで炒め、

バターと同量の小麦粉を入れ、

それをスープストックと牛乳でのばしたホワイト系のスープを作り、

そこにお味噌で香りをつけ、

柚子胡椒。

すりゴマでおめかしすれば、

外国の方にも喜ばれる

和のお食事となります。