ドイツ デュッセルドルフのクッキングスクールから 

在独40年+α デュッセルドルフの大手料理教室で講師をしております

ドイツのパン粉のお話

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トンカツ

海老フライ

牡蠣フライ。。。

 

日本を代表するおかず達には、サクサクとしたパン粉は欠かせません。

 

最近ではドイツの大手スーパーでもPANKOは売り出され、

シェフ仲間も

『フライならPANKOだぜ』とか言う時代が来ましたが、

数年前までは一時帰国のトランクの中に、

和食器が割れないようにパッキングとして、

ドイツに持って帰っていたものでした。

 

そのためもったいなくて大量にも使えず、

市販の白いパンを乾燥させておろし金で細かくもしましたが、

糖分が入っているため焦げたりで、

悲しい思いもしたものです。

 

でも、

おなじみシュニッツェルに使うのは、サラサラのドイツのパン粉の方が合います。

ほら、細かくてサラッサラ↓

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今日は、そのドイツのパン粉をご紹介します。

 

一番上の写真の

左から.....

Semmelbrösel、真ん中がPanat,右がFisch-Panatです。

真ん中の黄色と右の青い箱は、『下味付き』です。

 

パン粉はドイツ語ではPaniermehlですが、

南ドイツのものはSemmelbrösselと呼ばれます。

こちらが普通の味付きでないパン粉↓

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この二つの違いは製法で、

専用のパンを焼いて細かく砕いているのがSemmelbröselの方、

パンを焼かずに工法で作るのがPaniermehlだと説明を受けたことはありますが、

お味の方は全く一緒。

 

これに対して、

一番上の写真の真ん中と右のPanatは、

早くいえば『インスタントのパン粉』で、

これにはもうすでに乾燥卵液とお塩やハーブがはいっているので

『下味付き』

 

この二つの箱の色の違いは、

黄色いのがお肉、要するにシュニッツエル用、

青いのはお魚用です。

 

ドイツ人はお肉やお魚をお水でさっと洗った後、

キッチンペーパーで水分をふきとり、このPanatを直接まぶして、

多めのオイルをフライパンに入れ、炒め揚げしています。

が、やはり衣が剥がれやすいのが難点。

 

ですので、粉をはたいて卵液に通し、パン粉につけるという基本のやり方が一番いいと思います。

ほんのちょっとの手間ですし。

 

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みんな大好きシュニッツェル↑も、基本的にはトンカツと同じ。

違いは、仔牛肉を叩き伸ばして薄くし、粉→卵液→Semmelbdöselで衣を作って炒め揚げするだけ。

ですので、仔牛肉が手に入らなければ、同じようにトリのモモ肉でも作れます。

 

逆にいえば、日本のパン粉をビニール袋に入れて、綿棒で叩いてしまえば、ドイツのパン粉になります。

フードカッターで細かくしてもいいと思います。

 

ウィーンのあの味を、日本で再現も可能!

そういえば....

昔々、結婚したての頃、頑張って作った日本のエビフライ、

衣を全部、キレイにナイフとフォークで器用にはがして、エビだけ食べて

「ごちそうさま」

したドイツ人友人がいましたっけ。。。。